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 定格荷重と寿命

転がり玉軸受の寿命について
転がり玉軸受に要求される寿命は、使用される環境の違いによって大きく差異があります。これは、転がり玉軸受の使い方が多岐にわたり、転がり玉軸受に何を要求するかによって寿命に対する尺度が変わるためです。従って、用途・使用条件を考慮した適切な寿命設定が重要になりますが、この項ではJISで規定されている「単列深溝玉軸受」について以下に概要の説明を行います。

 

定格寿命
定格寿命は、JIS B1518「転がり玉軸受の動定格荷重の計算方法」で次のように定義されています。「定格寿命とは、一群の同じ軸受を同じ条件で運転したとき、そのうちの90%の軸受が転がり疲れによる材料の損傷を起こさずに回転できる総回転数。」
即ち、あるロットの母集団から任意の数の軸受を取り出し、一定の条件で回転させたとき90%の軸受が材料の剥離を起こさずに回転できる総回転数となります。


基本定格寿命は次の式から求めます。
 基本定格寿命計算式 基本定格寿命 :基本定格寿命
基本動定格荷重 :基本動定格荷重
動等価荷重 :動等価荷重

通常は時間で表わすことが多く、基本定格寿命と寿命時間の間には次の関係があります。
 
  基本定格寿命と寿命時間の関係式 回転数 :回転数 min-1
時間 :時間


基本動定格荷重
JIS B1518では、「100万回転の基本定格寿命が得られるような、軸受にかかる方向と大きさとが一定の荷重」と定義されています。


動等価荷重
「実際の荷重及び回転の条件のときと同じ寿命が得られるような、軸受にかかる方向と大きさが一定の荷重」と定義されています。次式及び下表よりラジアル荷重・アキシアル荷重の合成荷重を中心ラジアル荷重に置き換えます。

   
Pr = XFr + YFa
X,Y : 下表より求める。
Fr : ラジアル荷重
Fa : アキシアル荷重
 
アキシアル荷重比 荷重比 荷重比 e
単位 X Y X Y
N {kgf}
アキシアル荷重比 1 0 0.56 2.30
1.99
1.71
1.55
1.45
1.31
1.15
1.04
1.00
0.19
0.22
0.26
0.28
0.30
0.34
0.38
0.42
0.44
0.172
0.345
0.689
1.03
1.38
2.07
3.45
5.17
6.89
{ 0.0175 }
{ 0.0352 }
{ 0.0703 }
{ 0.105 }
{ 0.143 }
{ 0.211 }
{ 0.352 }
{ 0.527 }
{ 0.703 }

i : 1個の軸受内の転動体の列数(単列深溝玉軸受の場合はi=1)
Z : 転動体の数
Dw : 玉の直径
表に示されていないX、Y、eの値は一次補間法によって求めます。


基本静定格荷重
転がり玉軸受の基本静定格荷重及び静等価荷重については、JIS B1519「転がり玉軸受の静定各荷重の計算方法」に次のように規定されています。

基本静定格荷重とは、最大荷重を受けている転動体と軌道との接触中央における、接触応力が4200MPaになる静荷重と定義されており、この接触応力下で生じる転動体と軌道の総永久変形量は、転動体の直径のおよそ0.0001倍となります。 静等価荷重とは、「実際の荷重条件下で生じる接触応力と同じ接触応力を生じさせる静荷重」と定義されています。 次式から求めた大きいほうの値を取ります。

P0r = X0Fr+ Y0Fa
P0r = Fr
      X0,Y0 : JIS B1519記載の表2(深溝玉軸受の係数X0及び0の値)による。
     X0=0.6  Y0=0.5
      Fr : ラジアル荷重
      Fa : アキシアル荷重



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