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ロッドエンドベアリング

3 ピースロッドエンド

3 ピースロッドエンド

一般的には、通常インサートされているスフェリカルよりもボディの方がクリティカルなため、性能はボディの強度で見積もる必要があります。

荷重用語の説明

静定格荷重 (STATIC LIMIT LOAD)

ロッドエンドの性能を損なうことなく適用できる静荷重をいい、ボディ材料の降伏強さを用いて見積ります。


静破壊荷重 (STATIC ULTIMATE LOAD)

ラジアル引張り静荷重に対しロッドエンドが破壊せずに耐えうる荷重をいいます。


アキシアル・プルーフロード (AXIAL PROOF LOAD)

この荷重をアキシアル方向に静的に負荷したときスフェリカルが抜け出ることなく耐えうる荷重をいいます。


疲労荷重 (FATIGUE LOAD)

100 ~ 10%くり返し引張りの疲労試験で50,000 サイクルに耐えうる荷重をいいます。


荷重性能の見積について

ボディの静荷重下での破断は通常A 部 (図10) で起こります。一般的にシャンクはA 部にくらべて強度的には余裕をもっていますが、形状によってはシャンクの方が弱くなることもあるため、A 部(B.S.A.)とシャンク(S.S.A.)の強度を比較検討する必要があります。

図10 - 3 ピースロッドエンド

図11 - B.S.A.

ロッドエンドボディ頭部の最小断面積

図10 のA 部は角度の単位を「度」とすれば
となります。(図11)


シャンクの断面積

おねじの場合 :

おねじの場合 :


許容応力

各種の実験をもとに表10 に示す値を用いています。

表10 - 材料の許容応力

ボディ材質 静破断荷重 静定格荷重 疲労荷重
4340
39-42HRC
1171N/mm2
{ 119.5kgf/mm2 }
937N/mm2
{ 95.6kgf/mm2 }
372N/mm2
{ 38.0kgf/mm2 }
4130
36-42HRC
1068N/mm2
{ 109.0kgf/mm2 }
855N/mm2
{ 87.2kgf/mm2 }
309N/mm2
{ 31.6kgf/mm2 }
SUS630(17-4PH)
36-42HRC
1068N/mm2
{ 109.0kgf/mm2 }
855N/mm2
{ 87.2kgf/mm2 }
345N/mm2
{ 35.2kgf/mm2 }
SCM435H
35-40HRC
1034N/mm2
{ 105.5kgf/mm2 }
827N/mm2
{ 84.4kgf/mm2 }
172N/mm2
{ 17.6kgf/mm2 }

※ ボディの首下仕上面を良くすることによって275N/mm2{ 28.1kgf/mm2 } 程度まで疲労強度を上げることができます。この場合はスペシャル仕様になります。


ロッドエンドボディの疲労破壊

通常静荷重による破壊と同様A 部 (図10) で起こりますが、型式によっては首下やシャンクで起こることもあります。特に疲労は局部的な応力に著しく左右されるため、ツールマーク等があると高い応力集中によりこの点を起点としてき裂が進行し、疲労破壊が起こりやすくなります。疲労強度を検討する場合、与えられた荷重に対し何サイクルを耐えうるのかの見積りが必要となることがあります。
しかし、疲労は応力波形、形状からくる応力集中、環境等による影響をうけやすく、疲労寿命を見積るには試験を加味した十分な検討が必要になりますので、ロッドエンド販売推進部にご相談下さい。


3 ピースロッドエンドのアキシアル性能

通常ステーキングの強さで決まります。
V ステーキングされたロッドエンドのアキシアルプルーフロードは表11 から見積ることができます。しかしながら荷重が振動または衝撃等の場合にはスフェリカルはアキシアルプルーフロードよりも低い荷重で動き出すことがあるため、動荷重下ではアキシアルプルーフロードの1/3 以下でご使用下さい。ボディステーキングされたロッドエンドのアキシアルプルーフロードはV 溝タイプと同程度の性能です。

表11 - アキシアルプルーフロード

V溝タイプ
(mm)

(mm)

(mm)
アキシアルプルーフロード (N) { kgf }
スチールレース (30 ~ 35HRC) Al -Bz レース
A 1 0.7 0.5 298 × D { 30.4 × D } 193 × D { 19.7 × D }
B 1.4 1 0.7 367 × D { 37.5 × D } 239 × D { 24.4 × D }
C 2 1.5 0.7 411 × D { 42 × D } 267 × D { 27.3 × D }

D : スフェリカル外径 (単位mm)

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